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エステサロン開業時のホームページに載せるべき薬機法配慮の書き方チェック
最終更新: 2026年7月2日
エステサロンの開業準備でホームページを作るとき、多くのオーナーが「早く集客したい」という思いから、つい「必ず痩せる」「シミが消える」といった強い言葉を使いたくなります。しかし、こうした表現は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)や景品表示法に抵触するおそれがあり、開業直後から行政指導や広告差し止めのリスクを負ってしまう可能性があります。
本記事では、エステサロンのホームページ制作・運用において注意すべき薬機法・景品表示法まわりの表現ルールを、NG例とOK言い換え例の対照表、セクション別のセルフチェックリストという形で実務的に整理します。開業準備全体の流れ(物件選び・資金計画・集客導線など)を確認したい場合は、姉妹記事もあわせてご覧ください。本記事はHP表現の実務詳細に特化した内容です。
エステサロンのHPが薬機法・景品表示法に触れやすい理由
エステは医療行為ではなく、あはき法上の資格も不要な業種
エステティックは医師や看護師が行う医療行為ではなく、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律(あはき法)が定める施術資格も原則として必要としない業種です。開業にあたって美容師免許やあはき法上の国家資格は不要とされていますが、この「資格が不要である」ことと「どんな効果を謳っても良い」ことは全く別の問題です。むしろ医療資格を持たない事業者が「治療」「診断」「改善」といった医療・治療を連想させる表現を使うと、無資格医業類似行為や薬機法上の未承認医薬品的な効能効果標榜とみなされるリスクが高まります。この点は解釈が分かれやすく、最終判断は専門家や所轄行政に委ねるべき事項です 。
「痩身」「小顔」「美白」が構造的にリスクを孕む理由
エステサロンの主要メニューである痩身・小顔・美白ケアは、いずれも「身体の変化」「見た目の改善」を訴求する性質上、次のような法令に同時に触れやすい構造になっています。
- 薬機法: 化粧品や医薬部外品ではない施術・サービスについて、医薬品的な効能効果(治療・改善・治癒など)を標榜すると、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがあります。
- 景品表示法: 実際の効果よりも著しく優れているかのように見せる表示(優良誤認表示)、実際より著しく有利な条件であるかのように見せる表示(有利誤認表示)は、景品表示法違反となるおそれがあります。
つまり、同じ「痩せる」という一言が、薬機法上の効能効果標榜の問題と、景品表示法上の優良誤認表示の問題を同時に引き起こしうるという、複合的な規制対象になっている点がエステサロンのHP表現の難しさです 。この分野は所轄(消費者庁、都道府県、保健所等)によって解釈が分かれることもあるため、迷った場合は専門家(弁護士・行政書士等)や所轄窓口へ確認することをおすすめします。

法令の全体像整理(比較表)
エステサロンのHP制作に関わる主な法令を、「何を規制するものか」という観点で整理すると以下のようになります。
| 法令 | 何を規制するか | エステHPで特に関係する場面 |
|---|---|---|
| 薬機法 | 医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器等の効能効果表示、未承認医薬品的な効能効果の標榜禁止 | 「治る」「シミが消える」「痩せる」等の医療的効能効果の記載 |
| 景品表示法 | 商品・サービスの品質・内容(優良誤認)や価格・条件(有利誤認)について、実際より著しく優れている・有利であるかのような表示の禁止 | 「業界No.1」等の最上級表現、根拠のない「今だけ半額」等の価格訴求 |
| 特定商取引法 | 通信販売等における事業者名・住所・連絡先・返品条件等の表示義務 | HPからの予約・物販EC・事前決済(デポジット)を行う際の特定商取引法に基づく表記 |
特定商取引法については、事業者名や連絡先、返金・キャンセル規定の表示義務など別途詳細な実務論点があります。本記事はHP表現(効能効果・優良誤認等)に焦点を当てるため、特定商取引法の表示義務や前受金・デポジットの扱いについては、同ピラー内の関連記事で改めて詳しく解説します。
なお、上記はあくまで一般的な整理であり、実際の適用可否や解釈は所轄(消費者庁、都道府県、保健所等)により異なる場合があります。個別の表現や運用が問題ないかどうかは、必ず専門家(弁護士・行政書士等)や所轄の窓口に確認してください 。
NG表現→OK言い換え対照表(記事の核・最重要セクション)
ここからは、エステサロンのHPでよく見られる表現を、メニュー別にNG例とOK言い換え例で整理します。あくまで一般的な傾向としての整理であり、個別の文言が実際に法令に抵触するかどうかは表現全体の文脈やその他の記載内容によっても変わるため、最終的な適否判断は専門家に確認することをおすすめします 。
痩身メニューの表現
| NG表現(リスクが高いとされる例) | 言い換えの方向性(OK例のイメージ) | 主な懸念点 |
|---|---|---|
| 「必ず痩せます」「絶対に痩せる」 | 「引き締まった印象を目指す施術です」 | 効果を保証する断定表現・優良誤認 |
| 「1週間で−5cm」など具体的な数値保証 | 「お客様のお身体の状態に合わせて施術いたします」 | 個人差を無視した効果の断定 |
| 「脂肪を溶かす」「脂肪細胞を破壊」 | 「体型の変化を目指すメニューです」 | 医療的・治療的効能効果の標榜 |
| 「リバウンドしない」 | 「継続的なケアで印象の変化を目指します」 | 根拠のない効果継続の保証 |
| 「医師も推奨」(裏付けのない権威付け) | 実際に監修・協力関係がある場合のみ、その事実を正確に記載 | 優良誤認・虚偽の権威付け |
フェイシャル・小顔メニューの表現
| NG表現 | 言い換えの方向性 | 主な懸念点 |
|---|---|---|
| 「小顔になれることを保証」 | 「小顔印象を目指した施術です」 | 効果の保証・断定 |
| 「たるみ治療」「リフトアップ治療」 | 「ハリのある印象へのケア」 | 「治療」という医療用語の流用 |
| 「シワが消える」 | 「ハリ感のあるお肌を目指すケアです」 | 医薬品的効能効果の標榜 |
| 「小顔矯正」(整体・医療的響きのある語) | 「フェイスラインを整えるメニュー」 | 医療類似行為を連想させる表現 |
美白ケア・肌トラブル関連メニューの表現
| NG表現 | 言い換えの方向性 | 主な懸念点 |
|---|---|---|
| 「シミが消える」「シミを治療」 | 「明るい印象の肌を目指すケアです」 | 医薬品的効能効果・「治療」の流用 |
| 「劇的改善」「即効性がある」 | 「肌のコンディションを整えるお手伝いをします」 | 優良誤認・過度な即効性訴求 |
| 「ニキビが完治する」 | 「肌を清潔に保つサポートを行います」 | 「完治」という治癒表現 |
| 「アトピーが改善する」 | (皮膚疾患名を挙げた効能表示自体を避ける) | 医薬品的効能効果・医療広告的表現 |
| 「診断してアドバイス」 | 「肌の状態を確認し、施術プランをご提案」 | 「診断」という医療用語の流用 |
業種横断で避けるべき表現
| NG表現 | 言い換えの方向性 | 主な懸念点 |
|---|---|---|
| 「業界No.1」「日本一の実績」 | 「〇年〇月開業(実際の開業年月)」等、客観的事実の記載 | 最上級表現・優良誤認(根拠なき場合) |
| 「絶対」「100%」「必ず」 | 「〜を目指します」「〜のお手伝いをします」 | 断定的な効果保証表現全般 |
「〜が期待できます」も完全に安全な表現ではない
「痩せる効果が期待できます」のように、断定を避けたつもりの言い回しであっても、実質的に医薬品的な効能効果を暗示していると判断される可能性はゼロではありません。「期待できます」という言葉を使えば自動的に安全になるわけではなく、表現全体の文脈(具体的な数値の有無、写真の見せ方、周辺の訴求文言など)を含めて総合的に判断される点に注意が必要です 。不安がある表現については、公開前に専門家へ確認することをおすすめします。

ビフォーアフター写真・お客様の声(体験談)の注意点
ビフォーアフター写真の誤認リスク
施術前後の写真を並べて掲載する「ビフォーアフター」は、視覚的なインパクトが強く集客効果が期待される一方、以下のようなリスクを伴います。
- 照明・角度・メイクなどの演出によって、実際の施術効果以上に見せてしまう(優良誤認のおそれ)
- 特に効果の出やすかった一例のみを掲載し、個人差がある事実を示さない
- 撮影条件(施術直後か、時間が経過した状態か)を明記しない
これらは景品表示法上の優良誤認表示や、薬機法上の効能効果標榜の問題につながるおそれがあります 。掲載する場合は、撮影条件をできるだけ揃え、個人差がある旨を明記するなどの配慮が求められますが、それでも法令上のリスクがゼロになるわけではない点に注意してください。
「個人の感想です」表記だけでは不十分とされ得る点
お客様の声(体験談)を掲載する際、「個人の感想です」という注記を添えるサロンは多く見られますが、この一文を入れさえすれば全ての表現が許容されるわけではないとされています。体験談自体が「必ず痩せた」「劇的に改善した」といった効果を断定する内容であれば、注記の有無にかかわらず優良誤認表示や効能効果標榜の問題が生じうると考えられます 。体験談を掲載する場合は、本人の主観的な感想であることが伝わる表現にとどめ、効果を保証するような文言を含む声はそのまま転載しないなどの配慮が必要です。
ステマ規制(2023年10月施行)との関係
2023年10月に施行されたいわゆる「ステマ規制」は、事業者が広告であることを隠して表示を行うことを景品表示法上の不当表示として規制するものです〔出典: 消費者庁 (参照2026-06-29)〕。エステサロンにおいても、謝礼を渡して投稿を依頼したSNS投稿や口コミを、広告と分からない形でHPに転載・引用するような場合は、この規制との関係を検討する必要があります。誰が投稿の対価を負担したか、広告である旨が明示されているかといった点は個別の状況によって判断が分かれるため、口コミ・体験談の取り扱いについては専門家に確認することをおすすめします 。
HPセクション別セルフチェックリスト
ホームページを公開する前に、セクションごとに以下の項目をセルフチェックすることをおすすめします。あくまで一般的な着眼点の整理であり、これらをクリアすれば法令上問題がないことを保証するものではありません 。
トップページ・キャッチコピー
- 「必ず」「絶対」「100%」など、効果を保証する断定表現を使っていないか
- 「業界No.1」「日本一」など、根拠のない最上級表現を使っていないか
- 「治療」「診断」「完治」など医療用語を安易に流用していないか
メニュー・料金ページ
- 痩身・小顔・美白等のメニュー説明で、具体的な数値効果(「−〇cm」等)を保証する記載になっていないか
- 「脂肪を溶かす」等、医薬品的な効能効果を示す表現を使っていないか
- キャンペーン価格の表示が、実際より著しく有利であるかのような誤認を招く表現になっていないか(有利誤認)
- 事前決済・デポジットを導入する場合、特定商取引法に基づく表示(事業者名・連絡先・返金規定等)の準備ができているか
スタッフ紹介・実績
- 保有資格や研修歴について、実際に取得していない資格を想起させる表現になっていないか
- 「医師監修」等の権威付けが、実態を伴わない表現になっていないか
- 施術実績の数値(「〇名施術」等)に根拠があるか
お客様の声・ビフォーアフター
- 掲載する体験談が、効果を断定する強い表現になっていないか
- ビフォーアフター写真の撮影条件が極端に演出されたものになっていないか
- 個人差がある旨の記載があるか
- SNS投稿等を引用する場合、広告・依頼であることを隠していないか(ステマ規制との関係)
外注時に伝えるべき指示文の例
HP制作を制作会社やフリーランスに依頼する場合、次のような一文を発注時の指示に含めておくと、後々の表現トラブルを減らしやすくなります。
「本サイトはエステティックサロンのホームページです。薬機法・景品表示法の観点から、効果を保証・断定する表現(『必ず痩せる』『シミが消える』等)、医療用語の流用(『治療』『診断』等)、最上級表現(『業界No.1』等)は使用しないでください。表現に迷う箇所があれば必ず確認をお願いします。」
このような指示文をあらかじめ共有しておくことで、制作側の認識齟齬によるNG表現の混入を防ぎやすくなります。ただし、最終的な公開内容の確認・責任はサロン側(発注者)にある点は変わりません。
VANNAのNG表現自動注意表示機能でできること・できないこと
エステサロン向けのオールインワンSaaS「VANNA」には、ホームページ作成時に薬機法・景品表示法に関わりそうな表現を検知し、注意を促す「NG表現自動注意表示」機能があります。HPの文章を入力する際に、注意が必要と思われる語句に対してアラートが表示されるため、公開前のセルフチェックの補助として活用できます。
ただし、この機能はあくまで薬機法・景品表示法に関する簡易的なチェックを支援するものであり、法令適合を保証するものではありません。表現の最終的な適否判断や、実際に公開してよいかどうかの責任はサロンオーナー側にあります。機能が注意を示さなかった表現が問題にならないことを意味するものでもありません 。HP作成時だけでなく、SNS投稿文の見直しの補助として使うオーナーもいますが、いずれの場面でも、最終判断と公開の責任は常にオーナー側にあるという前提を忘れないようにしてください。

それでも不安な場合の相談先
自分たちだけで表現の適否を判断しきれない場合は、次のような専門家・窓口への相談を検討してください。
- 弁護士: 薬機法・景品表示法など広告表現全般について、個別の文言の法的リスクを相談できます。
- 行政書士: 開業手続きや各種届出とあわせて、広告表示に関する一般的な留意点を相談できる場合があります。
- 都道府県の薬務課等の窓口: 薬機法に関する行政上の解釈や相談窓口を持つ自治体もあります。
- 消費者庁・都道府県の景品表示法担当窓口: 優良誤認・有利誤認表示や、ステマ規制に関する相談ができます。
いずれの論点も、自治体や窓口によって解釈・対応が異なる場合があるため、具体的な表現や運用については必ず所轄の窓口や専門家に確認することをおすすめします 。
よくある質問(FAQ)
Q. 「個人の感想です」と書けば、体験談は自由に載せられますか?
いいえ、そう言い切ることはできません。「個人の感想です」という注記があっても、体験談の内容自体が効果を断定・保証するような強い表現(「必ず痩せた」等)であれば、景品表示法上の優良誤認表示等の問題が生じるおそれがあるとされています。注記の有無にかかわらず、体験談の内容そのものが適切かどうかを確認する必要があります 。
Q. ビフォーアフター写真は絶対にNGですか?
一律に「絶対NG」と断定はできませんが、演出や撮影条件によって実際の効果以上に見せてしまう場合は、景品表示法上の優良誤認表示等のリスクが高まるとされています。掲載する場合は撮影条件を揃え、個人差がある旨を明記するなどの配慮が必要ですが、それでもリスクがゼロになるとは限りません。個別の写真・レイアウトについては専門家に確認することをおすすめします 。
Q. 個人経営の小さなエステサロンでも薬機法は関係ありますか?
はい、事業規模の大小にかかわらず、薬機法や景品表示法はホームページ・SNS・チラシなど、あらゆる広告表示に適用されうるとされています。「個人サロンだから対象外」ということにはならない点に注意が必要です 。
Q. ノーコードのHP作成ツールを使えば薬機法チェックは完結しますか?
いいえ、完結するとは言えません。VANNAのようなノーコードHP作成ツールに搭載されたNG表現自動注意表示機能は、あくまで表現チェックを補助するものであり、法令適合を保証するものではありません。ツールが検知しなかった表現であっても問題になる可能性はあり、最終的な判断・責任はサロンオーナー側にあります 。
Q. 開業前に専門家へ相談すべきタイミングはいつですか?
HPの原稿(コピー・メニュー説明文・体験談の掲載内容)がある程度固まった段階、遅くとも公開前には一度専門家に確認することが望ましいとされています。特に痩身・美白等、効果を訴求したくなるメニューを扱う場合や、ビフォーアフター写真・体験談を多用する場合は、早めの相談が望ましいと考えられます 。
まとめ:開業前チェックリスト
最後に、本記事の内容を凝縮した開業前チェックリストを掲載します。印刷して開業準備の確認用にお使いください。
- 「必ず」「絶対」「100%」等、効果を保証する断定表現を使っていないか
- 「治療」「診断」「完治」等の医療用語を安易に使っていないか
- 「業界No.1」「日本一」等の最上級表現に根拠があるか、そもそも使っていないか
- 痩身・小顔・美白メニューの説明が、医薬品的な効能効果の標榜になっていないか
- 「〜が期待できます」等の言い回しも、文脈次第でリスクがある前提でチェックしているか
- ビフォーアフター写真の撮影条件が公平で、個人差の明記があるか
- お客様の声(体験談)が効果を断定する内容になっていないか
- SNS投稿の引用がステマ規制に抵触しないか(広告であることの明示)
- 事前決済・デポジットを導入する場合、特定商取引法の表示義務を確認したか
- HP制作を外注する場合、薬機法・景品表示法の注意点を発注時に共有したか
- 公開前に専門家(弁護士・行政書士等)や所轄窓口への相談を検討したか
VANNAでは、こうしたNG表現の簡易チェックを支援する機能を備えたノーコードHP作成ツールを、無料トライアルで試すことができます。現在プレオープン中で、2026年7月31日申込分までは2か月無料(以降は通常1か月)、トライアル中の解約は無料・縛りなしとなっています。ただしこれらの条件は変更される可能性があるため、最新の内容は必ず公式料金ページでご確認ください〔出典: VANNA公式 https://at-vanna.com/pricing (参照2026-06-29)〕。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の広告表現・運用が法令に適合することを保証するものではありません。実際の表現・運用については、必ず専門家(弁護士・行政書士等)や所轄の行政窓口にご確認ください。
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