エステサロン運営ガイド
部位別(顔・ボディ・痩身)料金表の作り方とオプション追加時の価格加算ルール
最終更新: 2026年7月2日
この記事でわかること
- 顔・ボディ・痩身それぞれで「部位」をどう分解し、標準時間と原価から販売単価を組み立てるかの考え方
- 複数部位を同時施術するときの合算ルール(単純合算・セット割・上限キャップ)の作り方
- オプション追加時の価格加算方式(固定額加算・時間比例加算・パーセンテージ加算)の使い分け
- 部位別料金表でよくある失敗(原価割れ・会計トラブル・表示価格と実額の乖離)とその回避策
- 料金表をHP・店内掲示・ネット予約導線で統一して見せる方法
この記事は、部位別・オプション別に料金が枝分かれしやすいエステサロン向けに、料金表そのものの「設計ロジック」に絞って解説します。開業時の初期費用相場や客単価の一般論、許認可などは扱いません。それらは開業ガイド系の記事をあわせてご参照ください。
なぜ部位別×オプションの料金表でつまずくのか
美容室のカット・カラーのように「メニュー=施術内容」がほぼ1対1で対応する業態と異なり、エステは「部位×手技×機器×時間」の掛け合わせでメニューが増殖しやすい業態です。全身一律料金のサロンに比べて、次のような特有のつまずきが起こりやすいとされています。
- 二重管理になりやすい: 紙のメニュー表・POPレジ・予約システムの3か所で価格や時間設定がバラバラになり、どれが正なのか分からなくなる
- 加算基準が属人化する: 「このお客様は付き合いが長いからオプション料金はサービス」のようにスタッフごとの裁量で加算・値引きが行われ、原価割れや会計トラブルの温床になる
- 予約の所要時間とのズレ: 部位を追加したのに予約枠の時間設定を変えず、次の予約が押してダブルブッキングや接客の巻きが発生する
- 痩身メニュー特有の複雑さ: 機器(EMS・ラジオ波・キャビテーション・吸引など)と部位の組み合わせで料金パターンが指数的に増え、都度・回数券・セットの価格差が説明しづらくなる
これらは「部位分解の粒度」「原価の見える化」「加算ルールの明文化」という3つの土台が未整備なまま、メニューだけを増やしてしまうことが原因になっているケースが多いと考えられます。次章から、この土台を作る4ステップを解説します。

部位別料金表の作り方4ステップ
Step1 部位分解の考え方
まず「どの単位を1つの部位として値付けするか」を決めます。細かすぎると管理が煩雑になり、粗すぎると顧客の「必要な部分だけ受けたい」というニーズに応えられません。一般的な目安として、以下のような分解例が用いられることがあります。あくまで一例であり、自店の技術構成・機材に合わせて調整してください。
顔まわりの部位分解例(7〜8部位)
額 / 目もと / 頬 / 口もと・ほうれい線周辺 / あご・フェイスライン / 鼻 / 首・デコルテ
ボディの部位分解例(8部位・目安)
二の腕 / 背中 / お腹 / 腰・くびれ / ヒップ / 太もも / ふくらはぎ / 脚全体(太もも+ふくらはぎのセット単位)
痩身の部位分解の考え方
痩身は「部位」に加えて「機器」という軸が加わるため、単純な部位分解ではなく機器×部位のマトリクスで整理するのが実務的です。たとえば「EMS×お腹」「ラジオ波×二の腕」のように、施術メニューを縦軸=機器、横軸=部位のマスで管理すると、料金表とオペレーションの両方が整理しやすくなります。
Step2 部位ごとの標準時間と原価(人件費+材料費/分)の算出
部位ごとの販売単価を決める前に、まず「原価」を可視化します。エステの原価は主に人件費(施術時間×時給換算)と材料費(消耗品・機器の減価償却按分など)で構成されます。
部位原価 = (スタッフ人件費の分単価 × 施術分数) + 1回あたりの材料費
- 人件費の分単価の出し方の例: 施術者の月給(社会保険料等の会社負担分を含む)÷ 月間稼働時間 ÷ 60分
- 材料費の出し方の例: パック・美容液・カップ等の消耗品原価を、1回の施術で使用する量に応じて按分
この原価に対して、目標とする原価率(例: 25〜35%程度)を設定し、逆算で販売単価の目安を出す方法が一般的とされています。
販売単価の目安 = 部位原価 ÷ 目標原価率
ここでの原価率や人件費・材料費の水準は店舗ごとに大きく異なるため、他店の相場をそのまま流用せず、必ず自店の実数値で計算してください。
Step3 部位単価表テンプレ
以下は計算方法を示すための記入例です。数値はすべて仮のものであり、実際の相場ではありません。自店の実数値に置き換えて使ってください。
| 部位 | 標準時間(分) | 人件費(目安) | 材料費(目安) | 原価計 | 販売単価(目安) | 粗利率(目安) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 目もと | 20 | 1,000円 | 300円 | 1,300円 | 4,500円 | 約71% |
| 頬・フェイスライン | 30 | 1,500円 | 500円 | 2,000円 | 6,500円 | 約69% |
| 二の腕 | 30 | 1,500円 | 400円 | 1,900円 | 6,000円 | 約68% |
| お腹 | 40 | 2,000円 | 600円 | 2,600円 | 8,000円 | 約68% |
| 脚全体 | 60 | 3,000円 | 800円 | 3,800円 | 11,000円 | 約65% |
この表を部位ごとに作成しておくと、以下のメリットがあります。
- 新メニューを追加するときも同じロジックで即座に値付けできる
- スタッフの技術習熟度や施術時間の変化(短縮など)に応じて定期的に見直せる
- セット割引を作るときの「割引前の合計金額」の基準が明確になる

Step4 複数部位同時施術の合算ルール(単純合算/セット割/上限キャップ)
部位単価が決まったら、複数部位を組み合わせたときの合算方法を決めます。主に3パターンがあります。
- 単純合算: 各部位の単価をそのまま足す。計算はシンプルだが、部位数が増えるほど割高感が出やすい
- セット割: 一定部位数以上の組み合わせに割引率を適用する。例:「2部位まで単純合算、3部位以上は合計額から10%オフ、5部位以上は15%オフ」といった段階設計
- 上限キャップ: 施術時間または金額に上限を設け、それ以上は追加しない(または別日に分ける)。例:「1回の施術時間は90分を上限とし、それを超える部位追加は次回来店で提案する」
これらは組み合わせて使うのが実務的です。たとえば「3部位以上は合計10%オフ。ただし施術時間が90分を超える組み合わせは受け付けず、複数回に分けて提案する」というように、割引ルールと時間上限をセットで運用すると、原価割れと施術者の疲労蓄積の両方を防ぎやすくなります。
セット割の割引率を決める際は、「割引後の粗利率が目標ラインを下回らないか」を必ずStep3の原価表と突き合わせて確認してください。感覚的に割引率を決めると、繁忙期にセットメニューばかりが売れて粗利が想定より圧縮される、という事態が起こりがちです。
顔・ボディ・痩身別 メニュー例と価格設計のポイント
ここからは部位・カテゴリごとに具体的なメニュー例と価格設計の観点を紹介します。メニュー名や説明文に「治る」「痩せる」「小顔になる」などの効果効能を断定する表現や、根拠のないビフォーアフター訴求を用いることは避けてください。エステティックサロンの施術は医療行為ではなく、効果を保証する表現は薬機法・景品表示法上のリスクになり得るとされています。メニュー名・説明文・広告表現については弁護士・行政書士等の専門家に確認することをおすすめします。
顔まわり(フェイシャル・部分ケア)
Step1の部位分解をベースに、以下のようなメニュー例が考えられます(名称は一例です)。
- ハンドトリートメントによるフェイシャルケア(部位: 頬・フェイスライン)
- 毛穴まわりの集中ケア(部位: 鼻・頬)
- 目もと集中ケア(部位: 目もと)
- 保湿・うるおいケア(部位: 顔全体)
- 機器を用いたリフトケア(部位: あご・フェイスライン)※機器名・効果の記載は慎重に
- デコルテ・首まわりケア(部位: 首・デコルテ)
トーンアップ・美白・アンチエイジングといった表現は化粧品等の効能効果の範囲や広告表現に関する規制と関連する可能性があるため、メニュー名に用いる場合は事前に専門家へ確認することをおすすめします。
ボディ(二の腕・お腹・脚等)
- 二の腕集中ケア
- 背中集中ケア(自分では手が届きにくい部位として訴求)
- お腹まわりケア
- 腰・くびれまわりケア
- ヒップケア
- 脚(ふくらはぎ・太もも)集中ケア
- 二の腕+背中のデコルテセット(複数部位の組み合わせメニュー例)
ボディは「自分で手が届きにくい部位」「継続来店の動機になりやすい部位」という切り口でメニュー名を作ると、効果効能の断定を避けながら訴求しやすくなります。
痩身(都度・回数券・セット)
痩身メニューは機器×部位の組み合わせが多く、価格提供方式(都度・回数券・セット)によって価格設計の考え方が異なります。
| 提供方式 | 価格設計の考え方 | メリット | デメリット・留意点 |
|---|---|---|---|
| 都度払い | Step3の部位単価表をそのまま適用 | 顧客が試しやすい、原価管理がシンプル | 継続来店の動機付けが弱い |
| 回数券(◯回分をまとめ売り) | 都度価格の合計から一定割引(例: 1回あたり5〜15%引き) | まとまった売上を先に確保できる、継続来店を促しやすい | 前受金化する場合、資金決済法上の前払式支払手段に該当する可能性がある。有効期限・未使用残高の管理体制も必要 |
| セット(複数部位・複数回を一体化したコース) | 部位単価×回数から合算し、セット割引率を適用 | 客単価を安定させやすい | 途中解約時の返金ルールを事前に明文化しておく必要がある |
痩身メニューの説明文では「痩せる」「脂肪が減る」といった直接的な効果表現やビフォーアフター写真の掲載が、景品表示法上の優良誤認表示や薬機法上の広告規制に抵触するリスクがあるとされています。表現の可否については弁護士・行政書士等の専門家に確認することを強くおすすめします。
回数券やコースを前受金として販売する場合の資金決済法(前払式支払手段)の適用可能性についても、発行残高や有効期間によって届出・供託義務が生じる場合があるとされているため、税理士・行政書士等の専門家へ事前相談することをおすすめします。

オプション加算ルール3方式と使い分け(固定額加算/時間比例加算/パーセンテージ加算)
部位別の基本メニューに、まつげケアの追加パック・美容液グレードアップ・マッサージ延長などのオプションを付ける際、加算方法を明文化しておかないとスタッフごとに価格がぶれる原因になります。主な加算方式は次の3つです。
| 加算方式 | メリット | デメリット | 向くサロン |
|---|---|---|---|
| 固定額加算(例: +1,000円) | 会計がシンプルで顧客に説明しやすい | 施術時間や原価が異なるオプションを同一価格にすると、一部で原価割れが起きやすい | オプション数が少なく、内容・時間がほぼ均一なサロン |
| 時間比例加算(例: 10分延長ごとに+1,500円) | 施術時間とオプション内容が連動しやすく、予約枠の所要時間設定と整合しやすい | 計算がやや複雑になり、口頭説明に時間がかかる | 部位追加や延長オプションが多い、時間管理を重視するサロン |
| パーセンテージ加算(例: 基本料金の+15%) | 客単価に応じてオプション価格も自然に調整される | 高単価コースでオプションが割高に感じられやすく、説明が難しい | 高単価帯のコースメニューが中心のサロン |
自店でどの方式を採用するかを判定する際は、以下のような自店判定表を作って整理すると意思決定しやすくなります。
| 判定項目 | 固定額向き | 時間比例向き | パーセンテージ向き |
|---|---|---|---|
| オプションの種類数 | 少ない(1〜3種) | 多い | 中程度 |
| オプションによる施術時間の差 | ほぼ同じ | 差が大きい | 差が大きい |
| 基本メニューの価格帯 | 低〜中単価 | 中単価 | 高単価 |
| 予約システムの所要時間自動計算を使うか | 使わない | 使う | どちらでも可 |
複数の方式を併用してもかまいませんが、「このオプションはどの方式で計算するか」を一覧化してスタッフ全員が同じ表を参照できるようにしておくことが、価格のばらつきを防ぐうえで重要です。
よくある失敗と回避策(原価割れ・会計トラブル・表示価格と実額の乖離)
部位別・オプション別料金表の運用でよく見られる失敗と、その回避策を整理します。
-
原価割れ セット割引やキャンペーン割引を感覚で設定し、割引後の価格がStep2で算出した原価を下回ってしまうケースです。割引率を決める際は必ずStep3の原価表と突き合わせ、最低限確保したい粗利率のラインを下回らないか確認する運用にしましょう。
-
会計トラブル 「オプションを追加したら想定より高額になった」という顧客とのトラブルは、事前の金額提示不足が主な原因とされています。回避策の例:
- 施術前カウンセリング時に、部位追加・オプション追加した場合の想定金額を口頭+書面(または予約確認メール)で提示する
- 会計時ではなく施術開始前に金額の合意を取る運用にする
- オプションの加算ルールを店内掲示・予約フォームにも明記する
- 表示価格と実額の乖離 「基本料金◯◯円〜」のような表示に対し、実際にはオプションがほぼ必須で会計額が大きく上回る運用を続けると、景品表示法上の有利誤認表示に該当するリスクが指摘されることがあります。「〜」表記を使う場合は、実際の平均的な会計額との乖離が大きくならないよう、表示の根拠(最低価格で提供可能なメニュー内容)を明確にしておく必要があるとされます。表示方法の適法性については、消費者庁の景品表示法関連ガイドライン等を確認のうえ、必要に応じて弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。
〔出典: 消費者庁 景品表示法 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ (参照2026-06-29)〕
料金表の見せ方を統一する(HP・店内掲示・予約導線での表記統一)
部位別料金表とオプション加算ルールを設計しても、掲示媒体ごとに表記がずれていると意味がありません。次のチェックリストで統一状況を確認しましょう。
- 税込・税抜の表記がHP・店内掲示・予約フォームで統一されている
- 部位名の呼称が媒体ごとに揺れていない(例: 「二の腕」と「アーム」が混在していないか)
- 施術時間の単位(分)がすべての媒体で明記されている
- オプション料金の加算ルールが会計時だけでなく予約段階でも確認できる
- セット割引の適用条件(部位数・時間上限)が明記されている
- 「〜円」「〜円台」のような曖昧表記を避け、価格の根拠が説明できる表記になっている
紙のメニュー表・POPレジ設定・予約システムの3か所の情報源が別々に管理されていると改定のたびに更新漏れが起きやすいため、可能な限り情報源を一本化しておくことが望ましいです。

季節施策・キャンペーン時の部位別価格の扱い(二重価格表示)
夏前の脚集中ケア、冬のデコルテ・首ケアなど、季節性を踏まえたキャンペーン価格を部位別に設定するサロンは多く見られます。その際、「通常価格◯◯円→キャンペーン価格◯◯円」のような二重価格表示を用いる場合は、以下の点に注意が必要とされています。
- 「通常価格」が実際に相当期間・相当回数販売された実績のある価格であること(架空の高値を「通常価格」として表示しない)
- 割引の適用期間・対象部位・条件(回数券購入時のみ等)を明記すること
- 期間終了後も同じキャンペーン価格を継続して表示し続けないこと
二重価格表示は景品表示法上の有利誤認表示に関するガイドラインの対象になり得るとされているため、キャンペーン設計時は消費者庁の公表資料を確認のうえ、判断に迷う場合は弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。
〔出典: 消費者庁 二重価格表示に関するガイドライン https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ (参照2026-06-29)〕
料金表をVANNAに反映する
ここまでのステップで組み立てた部位別料金表と加算ルールは、紙やスプレッドシートで管理したままだと、予約システム側の所要時間設定と食い違い、ダブルブッキングや会計トラブルの原因になりがちです。
VANNAでは、部位×時間の組み合わせで作ったメニューを、HPのメニュー表とネット予約の所要時間設定の両方に反映できます。たとえば「二の腕30分+お腹40分のセット=70分」というメニューを作れば、その所要時間がそのままネット予約の空き枠計算に反映される仕組みです。
ただし、この時間枠自動計算・指名予約・ダブルブッキング防止といった24時間ネット予約機能はMaxプラン以上での提供です。Proプランは候補日予約(日時をいくつか提示し、サロン側が確定する方式)のみとなり、リアルタイムの空き枠自動計算は含まれません。自店の予約運用に必要な機能がどのプランに含まれるかは、必ず最新のプラン比較ページでご確認ください。
〔出典: VANNA公式 機能一覧 https://at-vanna.com/features (参照2026-06-29)〕
痩身メニューの回数券やセットコースを事前決済・デポジットとして運用する場合、VANNAはStripe接続による事前決済/デポジット機能(Maxプラン以上)を提供しており、売上は店舗名義のStripe口座へ直接入金される仕組みで、VANNA側が仲介手数料を取ることはありません。ただし、回数券をまとめて前受金として販売する場合は、前章で触れたとおり資金決済法上の前払式支払手段に該当する可能性があるため、発行残高や有効期間によっては届出・供託等の対応が必要になる場合があります。この点は税理士・行政書士等の専門家に確認することをおすすめします。
また、メニュー説明文を作成する際に効果効能表現やNG表現を見落とすリスクを減らすため、VANNAにはNG表現自動注意表示の機能があります。これは薬機法・景品表示法の観点からの簡易チェックを支援するものであり、法令適合を保証するものではない点にご留意ください。最終的な表現の適法性は専門家の確認が必要です。
料金プランは、Pro(月額3,300円・税込)、Max(月額5,500円・税込)、Max+(月額11,000円・税込)の3種類で、初期費用は0円、予約・販売にVANNA側の手数料はかかりません(Stripe決済手数料のみ店舗負担で別途発生します)。現在プレオープン中で、2026年7月31日申込分まで通常1か月のところ2か月無料となっており、トライアル期間中の解約も無料・縛りなしで利用できます。ただしこの期間限定条件は変更される可能性があるため、必ず最新情報を公式料金ページでご確認ください。
〔出典: VANNA公式 料金ページ https://at-vanna.com/pricing (参照2026-06-29)〕
自店の部位別料金表を作ってみたら、まずは無料トライアルで料金表を試作してみるのも一つの方法です。プランごとの機能差を詳しく比較したい場合は、以下もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 部位別料金表と全身コース、どちらを先に作るべきですか?
どちらを主軸にするかはサロンのコンセプト次第ですが、実務上はまず部位別の単価表(Step1〜3)を作ってから、それを組み合わせて全身コースの価格を設計する順番がおすすめです。部位単価が先に決まっていれば、全身コースの割引率も「単純合算からどれだけ割り引くか」という形で一貫性を持って決めやすくなります。
Q2. オプションは何個まで許容すべきですか?
明確な正解はありませんが、オプション数が多すぎると会計時の説明が複雑になり、会計トラブルの原因にもなりやすいとされています。まずは3〜5種類程度に絞り、加算ルール(固定額・時間比例・パーセンテージ)をどれか1つに統一して運用し、必要に応じて増やしていく方法が管理しやすいでしょう。
Q3. 価格改定時に既存客への告知はどうすればよいですか?
一般的には、改定の1〜2か月前から店内掲示・予約時のメール・LINE等の複数チャネルで予告することが望ましいとされています。回数券やコースを既に購入済みの顧客については、購入時点の価格・条件を有効期限まで適用するのか、改定後の価格に切り替わるのかを事前に規約として明文化しておくことが、トラブル防止の観点から重要です。契約条件の変更については消費者契約法との関係も含め、必要に応じて弁護士等に確認することをおすすめします。
Q4. 回数券やコースの効果を謳ってよいですか?
「必ず痩せる」「◯回で改善する」といった効果を断定する表現や、成果を保証するような表現は避けるべきとされています。エステティックサロンの施術は医療行為ではなく、効果効能を断定する広告表現は薬機法・景品表示法上のリスクを伴う可能性があります。回数券やコースの訴求では、「継続してケアを受けられる」「まとめて予約できる」といった提供形態の利便性を伝える表現にとどめ、具体的な表現の可否については弁護士・行政書士等の専門家に確認することを強くおすすめします。
Q5. 部位別料金と全身セットコースの価格に矛盾が出てしまいます。どう防げますか?
部位単価の合計とセットコース価格を照らし合わせたとき、セットコースの方が割高になっていると顧客に不信感を与えかねません。Step4で解説した合算ルール(セット割引率)を必ず適用し、「セットコース価格 <(部位単価の単純合計)」となるように定期的に検算することをおすすめします。特に個別の部位単価を改定した際は、連動してセットコース価格も見直す運用をルール化しておきましょう。
*本記事には薬機法・景品表示法・資金決済法・消費者契約法に関連する記述が含まれます。
本記事の内容は一般的な考え方の紹介を目的としており、個別サロンの状況における適法性や妥当性を保証するものではありません。数値・相場・法令に関する記述は執筆時点の一般的な情報に基づくものであり、最新情報は所轄省庁・専門家・VANNA公式サイトで必ずご確認ください。